シフォンケーキは、家庭で手軽に作れる人気のお菓子です。
しかし、完成したケーキの底に大きな穴が開いてしまうことがあります。
私も何度もこの問題に悩まされてきました。
美しいシフォンケーキを焼くには、失敗の原因を知り、適切な対策を取ることが大切です。
ここでは、底上げが起こる理由とその対策をご紹介します。
底上げとは
シフォンケーキの底上げとは、型から取り出した時に底面に大きな空洞ができる現象のことです。
焼いている間や冷ましている時には気づかず、型を外して初めて発見することが多いのが特徴です。
◆なぜ底上げが起こるのか
シフォンケーキは、ふわふわの食感を保つために逆さまにして冷まします。
この時、ケーキが型にしっかりくっついていないと、重力で底が上がってしまいます。
また、焼いている間に空洞ができることもあります。
つまり、底が型にくっつかないこと、または焼いている間に空洞ができることが原因なのです。
底上げの主な原因
卵黄と油の混ぜ方が不十分
卵黄と油をよく混ぜないと、油が水分を覆ってしまい、ケーキが型にくっつきにくくなります。
これが底上げの一因となります。
メレンゲの泡立て具合
メレンゲの泡立てが足りない、または泡立てすぎると、泡が不安定になります。
不安定な泡は焼いている間に潰れやすく、大きな気泡ができて底上げの原因になります。
また、不安定な泡は生地をしっかり支えられず、生地が縮んでしまいます。
特に常温の卵や水っぽい卵白を使うと、メレンゲが安定しにくくなります。
生地に空気が閉じ込められやすい
シフォンケーキの生地を型に流し込む時、底に空気が閉じ込められがちです。
この空気が残ったまま焼くと、空洞ができてしまいます。
これを防ぐには、竹串を使って底をかき混ぜ、空気を抜くことが大切です。
また、シフォンケーキの型は中央の筒が側面から外れやすいものがあります。
型を強くテーブルに落として空気を抜こうとすると、かえって隙間から空気が入ることがあるので、強く落としすぎないよう注意しましょう。
オーブンの温度管理が重要
オーブンの温度設定は、シフォンケーキの出来を左右します。
温度が高すぎると、生地が急に膨らんで大きな空洞ができ、底上げの原因になります。
逆に温度が低すぎると、生地が型にしっかりくっつかず、冷めるときに底が上がってしまうことがあります。
水分量のバランスを取る
シフォンケーキの魅力はしっとりとした食感ですが、水分が多すぎると問題が起きます。
生地が型にしっかり焼き付かず、加熱不足になって底上げの原因になるのです。
特にフルーツを使うレシピでは自然と水分が増えるので、全体の水分量に気をつける必要があります。
乳化させる成分の入った油に注意
サラダ油の中には、乳化させる成分が含まれているものがあります。
この乳化させる成分には、メレンゲの泡を不安定にする作用があります。
これによって焼いている間にメレンゲの泡が崩れやすくなり、底上げの原因になることがあります。
シフォンケーキの底上げを防ぐコツ
シフォンケーキの底上げを防ぐには、以下の点に気をつけましょう。
・卵黄と油をよく混ぜ、生地が型の底にしっかりくっつくようにする
・安定したメレンゲを作り、大きな気泡ができないようにする
・生地を型に流す時、空気が入らないよう注意する
・適切な温度でしっかり焼き、加熱不足を避ける
これらのポイントを押さえることで、底上げの可能性を大きく減らせます。
ただ、初心者にとっては難しく感じるかもしれません。
そこで、私が実際に行っている具体的な対策をご紹介します。
・乳化させる成分の入っていない油を使う
・油と水分を湯煎で温める
・油と水分はゆっくり加える
・卵黄をマヨネーズ状になるまでしっかり泡立てる
・卵白は使う直前まで冷蔵庫に入れ、冷凍は避ける
・メレンゲは少し固めに立てる(スプーンですくった時に2~3本の角が立つ程度)
・新しい卵を使う
・卵白に塩かレモン汁を加えてメレンゲを安定させる
・生地を型に流した後、竹串で底を一周かき混ぜる
・型を強くテーブルに落とさず、慎重に空気を抜く
・オーブンの予熱は焼く温度より約20℃高めに設定する
・網を使って下から直接熱を伝える
・網がない場合は、天板もしっかり予熱する
これらの手順を丁寧に行えば、底上げの問題をかなり減らせるはずです。
それぞれの手順を詳しく解説していきます。
油選びのコツ
シフォンケーキを作るとき、油の選び方がとても大切です。
特にサラダ油を使う場合は、乳化させる成分が入っていないものを選びましょう。
乳化させる成分が入っているかどうかは、商品の表示を見れば分かります。
乳化させる成分の入っていないサラダ油も多くあるので、よく確認して選んでください。
材料の扱い方
油と水分はぬるま湯くらいに温めると、よく混ざります。
こうすると卵黄生地(メレンゲを入れる前の生地)の温度も適度に上がり、加熱不足を防げます。
ただし、温かすぎると卵黄が固まってしまうので気をつけましょう。
卵黄生地は白くもったりするまでよく混ぜるのがポイントです。
メレンゲの上手な作り方
メレンゲは少し固めに泡立てるのがおすすめです。
卵白に塩やレモン汁を少し加えると、メレンゲが安定します。
特に常温の卵や水っぽい卵を使うときは注意が必要です。
新しい卵を使うのが一番です。
空気を抜く方法
生地を型に入れたら、竹串で空気を抜きましょう。
シフォンケーキの型によっては、テーブルに強く落とすと隙間から空気が入ることがあるので、強く落とさない方が良いでしょう。
オーブンの使い方のコツ
家庭用オーブンは、予熱が足りないことがよくあります。
予熱は焼く温度より高めにして、時間をかけましょう。
オーブンを開け閉めすると温度が下がるので、予熱の温度を通常より20℃高めに設定するといいでしょう。
また家庭用オーブンは下の熱が弱いことが多いので、天板の代わりに網を使うと、下からの熱がよく伝わります。
ぴったりの網がなければ、天板をしっかり温めてから使いましょう。
対策をしても底上げが直らない場合
いろいろ試してもシフォンケーキの底上げが直らない時は、次の方法を試してみましょう。
・紙やアルミの型を使う
・型のサイズを小さくする
・焼く時間を5分ずつ増やす
水分が多いレシピはしっとりおいしく仕上がりますが、焼き加減が難しいです。
初心者の方は、まず水分の少ないレシピから始めるのがおすすめです。
また、テフロン加工の型は生地がくっつきにくいので、紙やアルミの型に変えるといいでしょう。
これらの素材は生地がよくくっつきます。
さらに、大きな型を使うと生地の量も多くなり、焼く時間も長くなります。
20cm以上の型を使っている場合は、一回り小さい型に変えると焼きやすくなります。
そして、オーブンによって温度が違うこともあるので、レシピ通りの時間で焼けていないようなら、焼く時間を延ばしてみましょう。
底上げ問題を段階的に解決する
たくさんの対策を紹介しましたが、全部を一度に試すのではなく、一つずつ慎重に試すことが大切です。
全部を一度に変えてしまうと、どの対策が効果的だったのか分かりにくくなります。
・それでもダメなら、次にメレンゲをしっかり作る工夫をしてみましょう。
・それでも解決しない場合は、空気の抜き方を見直してみましょう。
このように順番に対策を試すことで、自分のシフォンケーキ作りの問題点がはっきり分かり、確実に解決できます。
焦らず、一歩ずつ進んでいけば、きっと美味しいシフォンケーキが焼けるはずです。
底上げしたシフォンケーキの活用法「シフォンラスク」
底上げしたシフォンケーキも、そのまま食べればおいしいですが、見た目が気になることもあります。
そんな時におすすめなのが、ラスクにリメイクする方法です。
シフォンケーキを薄く切って乾燥させれば、底上げがあってもおいしいラスクになります。
このラスクはおいしいので、プレゼントにも最適です。
シフォンケーキの底上げ対策まとめ
この記事では、シフォンケーキの底上げを防ぐ方法をいくつか紹介しました。
基本的な対策は以下の通りです。
・しっかりしたメレンゲを作る
・型に生地を入れる時、空気が入らないよう気をつける
・適切な温度と時間で焼く
これらの対策をしても問題が解決しない場合は、次の方法を試してみてください。
・紙やアルミの型を使う
・型のサイズを一回り小さくする
・焼く時間を5分ずつ延ばす
底上げが起きるとがっかりするかもしれませんが、これらの対策で改善できる可能性があります。
この記事が少しでも皆さんの役に立てば嬉しいです。
頑張ってシフォンケーキ作りに挑戦してみてください!